錠前と鍵は、現代において私たちの日常生活に欠かせない住宅や貴重品を守る重要な役割を担っています。 その形は、ここ数年の間でも大幅な技術革新を経て、電子的なメカニズムを持つようになり、 相互接続するというようにその在り方は変化しつつあります。 新たな錠前は鍵を必要とせずにセキュリティ能力を格段に向上させています。 では、そもそも今当たり前のようにある錠前や鍵と呼ばれるものは、いつ生まれたのか? どのようなものだったのか?そのルーツを遡ってみたいと思います。
鍵の歴史は古く、世界最古の錠前を19世紀中頃のコルサバードの宮殿(現在のイラク)で、考古学者たちが発見しています。
発見された錠前と鍵は、紀元前4,000年(その地方がメソポタミアと呼ばれアッシリア時代が始まる前)に作られており、
原始的な仕組みで木製でした。そしてなんと現代の錠前にも、この錠前の土台になっている原理は使われているそうです。
この錠前は、いわゆる「かんぬき錠」として知られるもので、異なる長さのピンが錠の中にあり、
純正の鍵が挿入されない限りドアが開かない、という仕組みになっています。
内部のピンが、鍵を挿入すると押し上げられ、ドアを塞いでいる木製のかんぬきを外せるようになるというものでした。
この時代では、戸締りをする方法として、この錠前を使うか門番を配置するかのどちらかだったそうなので、
錠前がいかに便利だったかが分かります。
そして古代エジプト人たちは、上記の錠前の構造を改良し、さらには建築にも使うことを広めました。
彼らは、錠前の装置はまだ木製だったものの、ピンを真鍮製にすることもあったのです。
一世紀以上もの間、鍵とピンを使った単純な仕組みは変わらないままでした。
それがエジプト、ギリシャ、そしてローマ帝国へと次第に伝わり、引き出しや箪笥を守るための小さな錠へと改造されていったのです。
やがて、ローマ人の中でも裕福な上流階級者は、指輪のように鍵を身につけるようになりました。
これは、保護を必要とする物を所有するほど己が金持ちだと主張するためでした。
中世に入り、基本的な木製かんぬき錠のデザインから変化がみられるようになり、
金属製の「ウォード(突起)」がついた錠を、英国の職人が初めて作るようになりました。
これらの錠前の鍵穴の構造としては、錠の内部にウォードと呼ばれるいくつもの同心円状のプレートがあり、
正規の鍵はその障害に当たらずに回転できるような形状になっています。
鍵についている切り込みがウォードのパターンと合わない場合、鍵を回すことが出来ません。
もし鍵を何の抵抗もなく回せたなら、回転時に施錠できた、または解錠できたということです。
史跡などには今でもウォード錠が残っています。
何世紀にも渡って、当時の人々は偽物の鍵を使って侵入しようとする輩から建物を守ってきたと考えられます。
ウォード錠の美しいデザインを、秘密結社や中世の城に憧れを抱いたことのある人なら見たことがあるかと思われます。
デザインのみならず、セキュリティの面でも数々の侵入を防いできたウォード錠。
しかし、そんな美しい装置にも弱点がありました。
1つの鍵で他の錠前も、ウォードと切り込みのパターン次第では開けられてしまうのです。
基本的な鍵の形をもし知っていれば、鍵の切り込みをウォードを避けるために削ってスケルトン錠を作れるということ。
そうすれば、その鍵自体が1つの大きな切り込みとなり、何にも遮られることなく様々な配列のウォードにもぶつからず、
回転できてしまいます。
確かに、一つの鍵ですべての城内の扉を開けられれば、城主も楽になるかもしれませんが、侵入する泥棒や輩からしたら
好都合になります。
ウォード錠は、安全性の観点からすれば完璧とは言えないですが、その存在によって金属細工の技巧は新時代を迎えます。
錠前屋として熟練の職人たちが雇われ、錠前や鍵を領内の建築に合うような凝ったデザインにし、作るようになりました。
彼らは安全性を高めるために、鍵穴の形を変えウォードに複雑性を加え、セキュリティを強化しました。
しかしそれに追随するように、スケルトン錠のクオリティも共に進歩したのです。
ルネッサンス期の終わりには、数多くの異なるデザインが作られ、錠前破りという行為自体も一つのスキルとなりました。
そして、破られない錠前を作ることが、当然ながら優先されるようになったのです。
洗練された錠前が、産業革命の時代に入って作られるようになり、セキュリティーの権威としての立場を英国は確立します。
1778年、ダブルアクション式のレバータンブラー錠の特許をロバート・バロン氏が取得しました。
すべてのピンを持ち上げる必要が、従来のタンブラー錠を解錠するにはあったのに対し、
この新たなデザインでは、特定の高さまで2から4つの独立したレバーをそれぞれ持ち上げるのです。
「これまで作られたどの錠前よりも安全」だと、バロン氏は自身の発明を自画自賛していました。
しかし、その錠前でもまだ完璧に安全とは言えませんでした。多くのレバーが備わった錠前では解錠が難しくなったものの、
スキルと適切な道具があれば錠前破りは可能でした。安全性が、より多くのバリエーションを加えれば増すことから、
バロン氏を他の英国人が出し抜くまでそう長くはかかりませんでした。
1784年、安全性の高い錠前の特許をジョゼフ・ブラマ氏が取得します。
今でもロンドンで、そのデザインはさほど変わらないまま製造・販売されています。
鍵は円筒状になっており、バロン氏が導入したレバーと同じような目的を果たす障害が、錠の内部にはあります。
入れた鍵が純正キーであれば、錠の内筒をその障害に邪魔されることなく回転でき、
結果としてボルトを引っ込ませられるというものです。
ブラフ氏は、この錠前の安全性に対して絶対的な自信を持っていました。
そのため1790年には、「チャレンジ・ロック」と称して、賞金200ギニー(現在の価格で2200万円ほど)を賭けて、
自店のショーウィンドウに展示しました。
しかし、1851年の大英博覧会が開催された際に、アメリカ人錠前師アルフレッド・C・ホッブスが、
51時間かけて解錠に成功し破られてしまいます。
ブラマ氏に負けじと、他の錠前師たちも錠の改良に勤しみ、アルフレッド・C・ホッブスに破られない錠前を作ります。
そして、1817年に起きた「ポーツマス海軍基地での住居侵入」を受け、
純正キー以外では開けることのできない錠前を作るコンテストを、英政府は開催します。
そのコンテストで、ジェレミア・チャブ氏が£100の賞金を手にしました。
彼はバロン氏の錠前のデザインに、独自のレバータンブラーとディテクターと呼ばれる偽物の鍵が挿入されると詰まる仕組みの探知装置を加えたのです。
つまり錠前は、純正キーのみでしか開けられない構造になっているということです。
ですがチャブ氏の錠前も、大英博覧会が開催され、またしてもアルフレッド・C・ホッブスに破られてしまいます。
錠前作りの巨匠としての英国の治世は、博覧会でのホッブスの伝説的な鍵破りによって終わりを迎えます。
「博覧会が開催されるまで、世界最高峰の錠前を有しているのは我々だと思っていた」と、当時のThe Times紙は報じていました。
「ジブラルタルと同じくらい、我々の中でもブラフ氏とチャブ氏は難攻不落だと認識されていた」と。
しかし、アメリカ人の発明がそんな伝説を打ち砕いたのです。
1851年、ホッブスが大英博覧会で衝撃を与えていた頃、既にもっと進んだ錠前が米国では発明されていました。
1843年、ライナス・エール・シニア氏が、現在では『エール錠』と呼ばれるピンタンブラー錠の特許を出願します。
そのデザインは、先述したエジプト人が作っていたシンプルな木製の錠前を改良したものでした。
そして、1861年にシニアのデザインをライナス・エール・ジュニア氏が続いて改良し、
ギザギザして凹凸がついた平べったい鍵を考案します。
みなさんの自宅の玄関にも、もしかしたらこのタイプの錠前が使われているかと思われます。
『エール錠』のすばらしいところは、防犯性とシンプルさが結びついたことです。
鍵を複雑にしたりレバーをもっと増やしたりする代わりに、
古代のピンタンブラー錠のデザインを『エール錠』は完成形へと導いたのです。
特に変化した部分は、錠を開ける小さな鍵でした。
特定の錠に合うために、鍵の凹凸だけでなくギザギザな切り込みもカットされており、
押しバネで繋がれたピンが鍵穴にさしこまれると動かします。
内筒(プラグ)を回転させないと、この錠の内部構造はかんぬきが外れないようになっています。
プラグを回転させるためには、鍵でそれらのピンを動かす必要があります。
各ピンは、『キー・ピン』と『ドライバー・ピン』の2つに分かれるようになっています。
この押しバネで繋がったピンは、特定の高さまで鍵のギザギザ部分によって押し上げられます。
もしそれが正しい鍵であれば、錠前のプラグと外筒との間に『ドライバー・ピン』は残り、
ギザギザ部分に『キー・ピン』が落ちます。
きちんとすべてのピンが並べば、かんぬきを引っ込めることがプラグが回転できるようになりできるというわけです。
錠の内部はこのような仕組みになっています。
それから1世紀半の間に、エール錠の改良版や新たなデザインを、錠前師たちは生み出し続けました。
そして20世紀になってすぐに、錠前を活用できる可能性がドアの施錠という役割以外に初めて示されたのです。
1909年、照明を点滅できるドアロックの特許をウォルター・シュラーゲ氏が取ったのでした。
シュラーゲ氏はのちに、プッシュ式ボタン付きの『シリンドリカル・ロック(エール錠の使い勝手をもう少しよくした構造)』
を発明しています。
自宅や職場で使った覚えのある人もいるかと思われます。
現在も、同氏が設立した会社は錠前製造業の最大手であり続けています。
しかし、デジタル時代に入ってから施錠+αの役割を錠前に与えられるという彼のアイデアが日の目を見ることになります。
物理的な錠前の在り方は、錠前と鍵の仕組みの歴史に比べると、更に複雑に発展していきます。
南京錠の原型を古代ローマ人は作ることで、物体から概念へと鍵を変えました。
この概念をジェームズ・サージェント氏が発展させ、世界初の番号を変えられる『ダイヤル錠』を1857年に発明します。
同氏はその後、1873年に世界で初の『時限錠(セットされた時間にのみ開錠する)』、
そして1880年には『タイム・ディレイ・ロック(特定のインターバルの後にのみ開錠する)』と、
より巧妙な錠を発明しました。
20世紀末期に、特定の期間のみに特定の人間が解錠できる直感的な錠前というアイデアは誕生しました。
1975年に、初の電子カードキーの特許をTor Sornes氏が取得したことで、
プログラムで制御できる錠前という新たなマーケティングを開拓しました。
この数十年の間に、電気鎖錠にパスワードから指紋のような生体認証まであらゆる種類の認証方法が利用されてきました。
RFIDタグやセキュリティートークンといったデジタルな鍵によって、1と0との配列や赤外線でドアが開く時代になったのです。
いまでは、顔認証でドアを開けることも可能になっています。
最近まで、政府やビジネスのために最新のアクセス制御の技術は確保されていました。
顔認証のセキュリティーシステムを導入するのは安くはありません。
ですが、IoT(モノのインターネット)の普及に伴い、
錠前を製造する企業は最新テクノロジーを人々の住宅に取り入れる方法を模索中です。
最終的な目標は、合鍵を作られる可能性や紛失する可能性のある物理的な鍵を廃止することなんだとか。
エールやシュラーゲといった老舗企業も鍵のいらない未来へと導こうとしています。
昨年、両社はスマートフォンの操作あるいは音声で開けることのできる、新たなロックを発表しました。
シュラーゲの『Senseロック』はアップルのHomeKitと連係しているので、Siriを使ってデッドボルトを開けることも可能です。
もちろん、従来の鍵も使えます。
その一方でエールの新製品『Linusロック』はさらに進化しており、物理的な鍵はありません。
250種類の暗証番号を、ドアの外側に設置されているタッチセンサー式のパネルで設定できます。
それによって、子どもや友人、そして隣人に特定の暗証番号を割り振り、人の出入りを記録できるようになっています。
錠前がインターネットに接続されると、ハッキングされる心配があります。
多くのスマートロックは何重ものセキュリティーを実装していますが、
その一方であなたの出入りに関するデータの収集もしています。
この機能を呼び物と考える人もいれば、必要のない監視と考える人もいるかと思われます。
インターネット接続型ロックの登場で、これまで単純だったテクノロジーは複雑になりました。
従来のエール錠よりできることが、Bluetoothやジオフェンシングといった
次世代のメソッドがこういったガジェットに使われることで増えたのです。
このように何千年にも渡って、人類は昔ながらの鍵を使って単純なタンブラー錠を開けてきました。
時代は変わり、錠前や鍵の形状・概念も刻々と変化しています。
いま一度、自身や周りの守りたいものを守るための、錠前や鍵について検討してみましょう。
一括りで『鍵』といっても現代における鍵の種類は数千・数万種類以上はあります。 また、鍵交換をする方は「錠前を交換したい」という方と「シリンダーのみ交換したい」という方に分かれます。 そこで、『錠前の種類』と『シリンダーの種類』についてご紹介させていただきます。
錠前は一般的なものを大まかに分けると、シリンダー箱錠、プッシュプル錠、シリンダー円筒錠、インテグラル錠、チューブラ錠、引き違い戸錠の6種類に分けられます。 それぞれ、下記のような特徴があります。
玄関などの建物の出入り口によくついている錠前が、シリンダー箱錠です。 鍵穴やサムターン(扉の内側のツマミ)で施錠をすると、デッドボルト(扉側面から出る金属の棒、かんぬきのこと)が出てきて扉が開かなくなります。 錠前にあったシリンダーであれば、シリンダーのみ交換することも可能です。 見分け方としては、扉側面を見てデッドボルトとラッチ(三角形の部品)が 同じフロントプレート(扉側面の金属の板)に収まっていて、シリンダーとノブが別々になっているものがシリンダー箱錠です。 シリンダーやサムターン、取っ手の取り外し・取り付けがあるため、初心者が交換するには少し難易度が高い鍵かもしれません。
気圧差でドアが開かなくなるのを防いでくれるタイプの錠前が、プッシュプル錠です。 取っ手とシリンダーが一体型になっており、シリンダーが二つついているツーロックのプッシュプル錠はよく見かけるかと思います。 家の中で換気扇を回しているとき、外の風が強いときはドアが開けづらいかと思いますが、 プッシュプル錠にするとそういった気圧差が原因で起こる問題が軽減されます。 シリンダー箱錠と同じように、取り外しや取り付ける部品が多いため、初心者が交換するには少し難易度が高い鍵かと思います。
トイレなどの室内扉によくついている錠前が、シリンダー円筒錠です。 ドアノブの真ん中にボタンがついていて、それを押すとラッチの動きが固定されて扉が開かなくなるタイプの錠前です。 見分け方としては、握り玉の根元や丸座部分に小さな穴があれば、円筒錠です。 取り外しや取り付けの工程が、インテグラル錠やチューブラ錠に比べると多いので初心者が交換するのは少し大変かもしれません。 ただし、シリンダー箱状などに比べると工程が少ないので、手順をしっかり確認すれば初心者でも可能かと思います。
勝手口やトイレなどについている錠前です。 古いアパートの玄関などでも取り付けられていることがあります。 シリンダーとドアノブが一体型になっていますが、デッドボルトで施錠を行うタイプの錠前です。 見分け方は、扉側面を見て、デッドボルトとラッチボルトがあり、シリンダーとノブが一体型になっていればインテグラル錠です。 シリンダー円筒錠に比べて取り外し・取り付ける工程が少ないので、初心者でも比較的簡単に交換ができるかと思います。
トイレなどの室内扉によくついている錠前です。 防犯性が低いため、玄関などの建物の外への出入り口には向いていません。 施錠をする際は、円筒錠のようにラッチの動きを固定します。 丸座とノブをビスで固定しているものが多く、初心者の方でも簡単に交換ができるかと思います。
昔ながらの玄関の引戸などに使われている錠前です。 扉の真ん中のみで施錠するもの、真ん中と両端、もしくは片方だけ、両端だけで施錠するものなど色々な種類のものがあります。 室内扉で引戸タイプのもので、扉の先端に錠前がついているものがありますが、あれは戸先錠などと呼ばれています。 引き違い戸錠は、シリンダーのみの交換が可能なものと、錠前全体の交換しかできないものとに分かれます。 また、古い引き違い戸錠をずっと使っている場合は同じ部品が廃盤になっていて見つからないといったことも多いため、 部品探しや交換の際に扉の穴加工が入ることがあるため、初心者の方が交換するには難易度が高いかと思います。
鍵を差し込む鍵穴部分のことをシリンダーといいます。このシリンダーにも複数の種類があります。 メーカーや品番と細かく分けると、数千、数万種類以上になるため大まかなシリンダーの種類を5種類ご紹介いたします。
後述するロータリーディスクシリンダーのひとつ前のタイプのシリンダーです。 ディスクシリンダーは、MIWA社で既に廃盤になっているシリンダーです。 理由として、桁違い数の限界を超えた(同じ鍵で開けられる錠前が2つ存在しないようにするため)、 社会情勢の変化により更に高いセキュリティが求められるようになったためだとMIWA社から発表されています。 もしも、ディスクシリンダーが玄関に取り付けられている場合は、 後継のロータリーディスクシリンダーやディンプルシリンダーへの交換を考えた方がいいかもしれません。
ピンシリンダーはピンで筒の動きを制御していましたが、ロータリーディスクシリンダーの場合は、 ロッキングバーと呼ばれる部品が筒の動きを制御しています。 鍵を回すとタンブラーという部品が動いて、タンブラーの溝部分にロッキングバーが収まることで筒が回り、鍵が開くようになります。 先ほど紹介した、ディスクシリンダーの後継タイプのシリンダーで、有名なものにMIWA社のU9などがあります。
シリンダーの中にピンと呼ばれる部品が入っており、鍵を差し込むとそのピンを所定の位置まで押し上げることで、鍵が回るようになります。 ピンは上下に分かれており、通常はバネで下に押しだされています。 『それならピンを押し上げれば何でも開くのでは?』と思うかもしれませんが、 シリンダー錠の内筒と外筒の境目(シアライン)に上ピンと下ピンの境目が合わないと鍵が回らないようになっているため、 違う鍵を差してもピンの高さが揃わないため開けることはできない構造になっています。 ピンシリンダーは、ピンの数が多くなるほど、ピッキングによる不正解錠がしにくくなります。 そのため、防犯目的でシリンダーを選ぶならピンの数が多いものを選ぶといいのですが、 ピンシリンダーよりもディンプルシリンダーの方がピンの数が圧倒的に多いので、 高い防犯性を求めるならディンプルシリンダーを選ばれることをおすすめいたします。 ただし、防犯性をあまり求めない室内扉や、とにかくシリンダーの部品代を抑えたい場合は、ピンシリンダーがおすすめです。
仕組みとしては、ピンシリンダーと同じで、鍵を差し込んでピンを押し上げることで鍵を開けることができます。 ただし、通常のピンシリンダーのピンの列が1列なのに対して、ディンプルシリンダーは3列、5列といった具合にピンの本数が多くなるため、 よりピッキングによる不正解錠に強くなっています。 ディンプルシリンダーの中でも、防犯性の高いものと低いものでピンの数が違っているため、 高い防犯性を求めている人は、ピンの数がより多いものを選ぶといいかもしれません。
マグネットタンブラーシリンダーとは、タンブラーに磁石(マグネット)を使用したシリンダー錠です。 磁石の、S極どうしまたはN極どうしは反発し、S極とN極は引き合うという性質を利用しています。 外筒と内筒にまたがるようにピン状のマグネットタンブラーを配置し、バネで内筒側にタンブラーを押し付けています。 また、鍵にはタンブラーの位置に揃うようにマグネットが埋め込んであり、全てのタンブラーが鍵に埋め込んであるマグネットと反発し合うことで外筒に収まり内筒を回転させることが出来ます。 配列が違うと、外筒に収まらないタンブラーが障害となり、内筒を回転させることが出来ません。 マグネットタンブラーシリンダーの長所は、タンブラーを動かすために鍵とタンブラーが物理的に接触する必要がないので、 タンブラーを鍵穴内に露出させる必要がないことです。 このことで通常のピックを使用してのピッキングは100%不可能です。 鍵穴にピックを差し込んでもタンブラーを操作することは出来ないのです。 短所は、マグネットにはSNの二極しかないため、鍵違い数を多くすることが難しいことです。 この短所を補うため、マグネットタンブラーとピンタンブラーを組み合わせた物もあります。 また、鍵からマグネット自体が脱落してしまったり、マグネットの磁力が弱ってしまうと、 鍵が有っても錠を開けることが出来なくなってしまうという欠点もあります。
イモビライザーとは如何なる仕組みなのでしょうか?
イモビライザーとは、専門のキー以外でのエンジンの始動を無理にするという自動車盗難防止システムの事です。 電子的なキーの照合システムによってそれを可能にしているので、高い防犯性と利便性を兼ね備えています。
従来の車の鍵は、キーシリンダーの中身とキーの鍵山が一致すれば電源をオンにする事でエンジンの起動ができます。 それに対しイモビライザーは、専門のキーに埋め込まれた電子チップ(トランスポンダ)が持つ固有のIDコードと、車両側に設定されているIDコードを電子的に照合し、一致するとエンジンの起動ができます。
設定されているキーのIDは暗号化されており、解読するにしても取り合わせが数百万以上あるため、複製するのは極めて手を焼くでしょう。 仮にできたとしても、膨大な時がかかってしまいます。 それにより、イモビライザーはとても有用な安全対策とされてきました。
イモビライザーは、ヨーロッパでは1995年から一通りの車に装着する事が義務となりました。 これはEU諸国で法整備がされた背景があります。
日本ではヨーロッパほど一般化が進まないイモビライザーでしたが、日本でイモビライザーが広まったのは2000年代に入ってからであり、今現在でもイモビライザーを内蔵していない車種があります。
長年愛用の車をご利用のドライバーは、イモビライザーをご存知ない方もいるでしょう。 これは、日本が安心な国だからという背景もありますが、法律でイモビライザーの装備が義務付けられていない事が、日本での100%の搭載に至らない最大の理由です。
当店では住宅・オフィス、自動車・バイク、金庫(家庭用・業務用)、鍵交換・取付や最新のデジタルキーなど幅広く敏速にご対応する事が可能です。
最近ではカードキーや簡単には解除できない優れた鍵が発売されています。当店で取り扱っている代表的なものをご紹介いたします。
鍵穴が無いカードキータイプの鍵になります。またおサイフケータイもカードキーになりますので人気の高い商品です。もちろんセキュリティレベルは最上位です。
世界初のデッドロック機構という形式をとっており、様々な犯罪から守る構造をしているとても優れた鍵です。万が一鍵を無くされた場合でもインターネット上でお客様情報が管理されており、お客様のみが解錠できる仕組みとなっています。
ご利用場面、用途に合った鍵がございますので、最適なセキュリティシリンダーをご案内しますので是非一度カギ・トラブルサービスまでご連絡ください。
カギ・トラブルサービスは、鍵の作成をはじめ、鍵の修理、解錠や、防犯性の高いカギへの交換も行っております。 当社は仙台のみなさんの鍵トラブル全般をサポートいたしますので、何でもご相談ください。